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ローマ亡き後の地中海世界 塩野七生著

古代ローマによる平和が崩壊したあとの地中海世界の歴史を塩野流に物語ってくれています。港に立つ塔、南イタリアの入り組んだまち、小高い丘にあるまち…すべて北アフリカからの海賊の襲来に備えてだったのか、とすっと腑に落ちました。アマルフィの迷路のような構造に言及している箇所はぞくぞくしてしまった。下巻ではラヴェッロにも言及されていて、訪れたときにはまったく意識していなかったふたつのまちの関係性に頭をかち割られた気分でした。この本を読んだあと、関口知宏さんの番組をみたとき、リグーリア地方、チンクエテッレのコルニーリアのひとが関口さんに何故こんなところに村があるのかを尋ねられていて。「海賊から村を守るためだったんだ」と答えていました。
平和を維持するために必要なことを考えさせられた本。そしてこの本のあとに、「皇帝フリードリッヒ2世の生涯」が始まるのかぁ。
「海の都の物語」はむかし何度も読むのを挫折してしまったけど、地中海の歴史を概観してヴェネツィア共和国の偉大さを実感してから読むべきだったのだな、と気付きました。そしていま読破中、今回は、読めそうです笑。

by girlie0915 | 2016-07-30 14:29 | 本・雑誌
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